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養子の日啓発イベント2024

会場、オンライン共にたくさんのご参加ありがとうございました!

2024年4月19日(金)の夜、川崎市の「よ~し(養子)の日」啓発イベントを会場(エポックなかはら)、そしてオンライン(Zoom)同時に開催しました。

当日、会場29名、Zoom41名、合計70名の参加となりました。「川崎市教育委員会後援」という後押しもあり、保育士、幼稚園教諭、教職員や施設職員、当事者、自営業、会社員、学生など多様なみなさんにご参加いただきました。

今回は、制度説明や堀口先生の講演のあと、「多様な家族のカタチ」を想いながら日々のコミュニケーションについて、体感しながら学ぶワークショップ方式で実施しました。

「4月4日はよ~し(養子)の日」啓発イベントとは・・・

日本財団は特別養子縁組制度を広く周知し、理解を深めていただくための記念日として、4月4日を「養子の日」と制定しています。

かわさき里親支援センターさくらでも、市民、地域社会に「特別養子縁組制度」「里親制度」を広め、多様な家族のカタチを知っていただくこと、子どもが地域社会で育まれるために、地域での見守り隊が増えてほしいとの思いを持ち、毎年この時期に「よ~し(養子)の日」啓発イベントを企画しています。

イベントの内容

①はじめに
 ~川崎市の社会的養護の子どもたちの現状と里親制度の説明~ 
<かわさき里親支援センターさくら職員>

川崎市の現状や里親制度、特別養子縁組制度について、かわさき里親支援センターさくらの役割、里親による養育やサポート体制などについてお話しました。

②講演
 ~目の前の家族に「思いをはせること」、「知ろうとすること」~
 <白百合女子大学 発達心理学科 堀口康太氏>

里親家庭の経験や思いを紹介していただき、そのうえで誰もが経験する「固有の経験」や「ふつう」について一緒に考えを深める機会となりました。

③ワークショップ

 今回は「実際に体験できるワークショップ」と企画しました。会場やオンラインで二人一組になり、絵をみてシチュエーションを自由に想像したり、3つのテーマについて、その言葉を言った側、言われた側の気持ちなどを体感し、感想を共有しました。

◆この4人、みなさんにはどう映りますか?

 

「4人家族」、「ステップファミリー」、「カメラマンと家族」、「日本国籍以外の家族」、「2組の家族が一緒に遊んでいる」などなど、ワークを通して自身の先入観に気づくきっかけとなりました。

◆3つのケースについて、言う側と、言われる側のそれぞれの立場になってみましょう
1.「私里親で、うちの子養子なんです」
2.「あら、ママ(パパ)そっくりね」
3.「僕ママが二2人いるんだ」
  

里親家庭での実際の事例をもとにワークショップを作成しましたが、今回のワークショップの内容は、ステップファミリーや同性カップル等、多様な家族のカタチにも当てはまると思います。
誰にとっても正しい答えというものはありません。私たちは、試行錯誤しながら思いを伝えあうことで、つながりが深まるのではないかと考えています。

④質疑応答、まとめ

参加者のみなさんの声(アンケート回答より)

オンライン(Zoom)参加の方

  • 里親制度についてあまり詳しくなかったので、この機会に知れてよかったです。 また、実際の里親さんの思いを知ることが出来たり、今まで自分の中にあった固定観念等を改めて思い知らされたりと大変勉強になるワークショップでした。 ありがとうございました。
  • 実際に里親登録をされている方とお話ができたのがとてもいい経験になりました。普段はなかなかお話しすることができないと思うので、貴重な機会だったと感じています。 同じzoomに参加していても、一人ひとり考え方や思いが違うということもとても感じました。
  • 里親に限らず、「固有の経験をしているふつうの家族」は たくさんおり、自分もその一人なんだと感じた。「里親やっててえらい」と特別視してしまうことで、相手を傷つけてしまったり壁を作ってしまうと感じ、自分の発言が人にどう影響を与えるか?考えるきっかけとなった。
  • 里親制度のことは知っているつもりでしたが、具体的に里親さんの抱える生きづらさを改めて知れてよかったです。またワークと発表において、様々な場面設定で感じたことなどを話し合い共有できたことで、自分の感じた気持ちも皆が考えることの一つなんだと、不安が少し自信にもなりました。
  • 里親制度について興味があったため、詳しく学ぶことができてよかったです。また、里親さんの体験談なども聞くことができて、養子にいく子どもたちへの伝え方も考えたり、里親さんとの共通の認識が必要なのではないかと思いました。さらに、里親について知識を広めることができるように、学びを深めて行きたいと思いました。ありがとうございました。
  • ワークショップをすることで、頭で考えていたことだけでない気持ちが湧いてきたり相手の方の気持ちを聞き気付くことがあった。思いをはせることが大切だと体感でき参加して良かったと思った。
  • 堀口先生のお顔がZoom上で拝見できず、残念でした。 また、大変失礼ではありますが、支援者の支援をされていると紹介文にあり興味深かったのですが、求めているところのお話ならず残念でした。実子の固有と里親家庭・縁組家庭の固有を同じ土台でお話されている内容に、少し抵抗を感じてしまいました。
  • 里親に関する知識が薄いことから里親の事をもっと知りたい、いずれかは里親支援の仕事をしてみたいという気持ちで研修を受けました。ワークショップでは、自分が実際に聞かれたら返答に悩む内容もありましたが、みんなそれぞれの意見や考え方があり、勉強になりました。素敵な企画をありがとうございました。
  • Zoomで参加しました。 ワークショップは苦手なのですが、一緒に組んでくださった方が、とても感じが良く話をしやすかったので、とても勉強になり、楽しかったです。 現状と制度についてよくわかり、知識を深めることができました。 堀口先生の話では、固有の経験をしているふつうの家族ということで、多様性を認めることと、養子を迎えた家族もステップファミリーもLGBTQのカップルも何も変わらない普通であることを学びました。このような機会に参加させていただき、ありがとうございました。

会場参加の方

  • ふくし=「ふ」つうに「く」らす「し」あわせ という考え方がとても素敵だなと思う一方で、固有の経験や育ってきた環境により人の幸せやふつうはちがうので難しさを感じた。
  • 福岡市の里親委託率が50%と高いため、福岡市はどういった取り組みをしているのか知りたい。
  • 「里親」という単語は耳にしたことがあっても制度の理解まではまだ普及していないのが現状であると感じ、この職業についている自分が身近な人から少しずつでもこ広めていきたいと思いました。「誰もが固有の経験をしている普通の家族」という言葉がとても心に残っていて、確かにそうだなと納得しました。特別視はせず、理解しようとする姿勢は難しいとも思いますが、今日学んだことを胸に留めながら職場以外で関わることがあれば意識していこうと思います。 里親経験のある方、現在里親である方の話を実際に聞いてみたいと思いました。
  • ワークショップがあって、色々なケースや場面を想像しながら色々な立場に立って考えられたのがよかったです。対“その人”として、まずは信頼関係を築いていくこと、あなたのことを知りたいと思っていることを伝えることを大切にしていきたいと思いました。
  • かわさき里親支援センターさくらでの取り組みや里親さんへの想い等を聞く事ができて良かったです。これまでたくさんの里親さんと向き合ってきたからこその経験談や考え方はとても勉強になりました。里親さんの目線になって考えるワークでは実際に言葉に詰まってしまったり、素直に捉えるのが難しかったりしました。様々な家族のカタチがあること、里親さんによっても考え方や感じ方は違うことを改めて感じ、それぞれに向き合ったサポートがずっとつづいていくことの大切さを学びました。

このほかにも、たくさんの忌憚なきご意見、熱い感想メッセージ、次回のイベントへの期待など、多くの声をいただきました。ありがとうございました。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参加してくださった皆様、講師を引き受けてくださった堀口先生、さらに、このレポートを読んでくださった皆様、快く後援をしてくださった川崎市教育委員会様に心より感謝申し上げます。

イベントに参加してくださった皆様が堀口先生の講義やワークショップを通して、「多様な家族のカタチ」への理解を深め、それをもとにした「心配り」について、温かい雰囲気で一緒に考えてくださり、私たちも嬉しく思いました。皆様と一緒に考えることがすべての子どもたちが安心して地域の中で暮らすことにつながると考えています。

至らない点も多々あると思いますが、今後も子どもたちのために、「多様な家族のカタチ」について正しく理解すること、「自分には何ができるのか」を考えるきっかけを作っていきたいと思います。